文章を読んで臭いを感じる

先日、「文章を読んでいて臭いを感じる」という方(しかも2名)の話を聞きました。その時にパッと頭に浮かんだのが『共感覚』です。

 

共感覚とは、音を聴いて色を感じたり、味に形を感じたり、触ると音を感じたり…

一つの刺激に対して違う種類の感覚が同時に生じる知覚現象であり、人口の数%(諸説ありますが、最新の研究では23人に一人とも言われています)程度の人しか持たないと考えられている認知特性です。

 

 

まさか普通に会話していて共感覚の話を聴けるとは!と嬉しく思い、帰宅後すぐに本棚に直行しました。

 

共感覚には多様性があり、複数の共感覚を持つ人がいたり150種類以上のタイプの共感覚が確認されているそうで、非常に難しい分野だと思っております。

 

 

 

ちなみに私は、来院されている方に進捗状況を

「施術している時の雑音がだいぶ減ってきましたよ」みたいな感じで説明することがあります。
医学的な用語を使うよりわかりやすいようです。
触れる刺激に対する反応を音で表現しているわけですが、筋肉の微妙な抵抗を感じ取っているだけで、触覚に対して単純に触覚として感じているわけであり、実際は音を感じているわけではありません。触覚を音に例えて説明しているだけです。
なので、私の場合は共感覚とは言えません。
対して冒頭の方は、おそらく共感覚者だと思います。
共感覚があることのメリット・デメリットあるかもしれませんが、少なくとも私の身近では初めて聞く話で、非常に興味深く感じております。脳の未知の部分・可能性に思いを馳せてしまいました。
また共感覚は脳の認知・情報処理の全貌を明らかにする上での手かがりとして、近年多くの科学者が研究対象として仮説・検証を進めているそうで、今後色んなことがわかってくるかもしれません。その研究成果が何かに活用されることを期待しております。
共感覚の種類としては、ある刺激に対して色や音を感じるパターンが多いみたいですが、冒頭の方のように嗅覚として感じるパターンなど、珍しい・思いもよらないタイプの感覚があると思います。
もしかして、皆さんの周りにもユニークな特性の共感覚者がいるかもしれません。

黒岩整体院